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生産者紹介

光食品(徳島県板野郡上板町)

今月のFACE 生産者紹介

 光食品(徳島県板野郡上板町)

●顔の見える関係を大切に

トマトジュースや野菜ジュース、ソースやドレッシングでおなじみの光食品は、
現社長・島田光雅さんのお父さんの利雄さんが1946年、裸一貫で始めた会
社です。配給原料でソース作りを始め、何とか工場が軌道に乗り…やがて日
本はチクロ、サッカリンなど合成添加物全盛時代に。「体に悪いもん使わんと、
ええ材料で作りたい」。1964年、超特急新幹線ひかり号が開通した年、合成
添加物を一切使わない「超特級ヒカリソース」を世に出しました。
息子の光雅さんが大学を卒業して帰郷した1975年、「今度は無農薬、有機栽
培の原料を使いたい」と利雄さん。地元徳島を中心に生産者を探すのに2年を
かけ、ついに1977年、日本で最初の有機野菜・果実から作ったウスターソース
を製造発売しました。2000年2月には環境保全型の新工場を稼動。太陽光発電
を取り入れ、地下水にはリサイクルシステムを導入、食品残渣は堆肥にします。
有機畑を自分たちも体験したいという気持ちから、敷地内の自社畑でゆず、ゆこう、
玉ねぎなども栽培し、原料の一部として活用しています.

 

●「有機じんわ~りしょうが」誕生ストーリー

「最初の頃、生産者を探すのに苦労したでしょう。だから農家さんから『余ってるもの
がある』と聞くと、放っておけんのです」と島田さん。そのたびに商品アイテムが増え、
開発した品は50種類以上。どの品にも生産者とのストーリーがあります。2011年
初夏に発売した「有機じんわ~りしょうが」も、そんな品のひとつです.「焼肉のたれ」
や「麻婆の素」に使うしょうがは自社農園での有機栽培に加え、四国や九州の有機
生産者にもお願いして契約栽培しています。ところが今年1月~2月に掘り上げた
しょうがは、天候不順のせいか長期保存ができそうにない、とSOSが入りました。
そこで今秋デビューの予定を、急きょ初夏に繰り上げた由。畑の都合に合わせた
商品開発は、有機農産物の希少さを知る光食品にとって、ごく自然なことなのです。
「この品は、じつは娘の熱心なプッシュもあって…冷えに悩む若い女性にきっと受け
る、と進言されまして」と島田さん。長女の真妃さんは2007年に入社、販売課社員
としてお父さんと一緒に展示会などにも登場、光食品の商品の魅力を溌剌と伝えて
います。                                           

 

●一番人気の「アップルサイダー+レモン」

数あるドリンク類の中で、昨年デビューしてあっという間に人気商品となったのが「アップルサイダー+レモン」。従来品の「レモンサイダー」は果汁3%、「みかんサイダー+レモン」は果汁14%でしたが、この品は果汁85%以上、しかも砂糖などの糖類不使用です。最初はりんご果汁100%で試作しましたが、りんごの風味が強すぎて挫折。その後も試作を繰り返し、天然水を15%加えることでサイダーの爽やかさを実現しました。有機りんご果汁はその年の作柄や品種によって酸度が変わるため、レモン果汁を少々加えて調整し、後味すっきりと仕上げています。もちろんどのサイダーも香料・保存料・着色料・酸味料は不使用、原材料のフルーツは100%有機です。夏休みのお子さんに、安心して飲ませてあげてください。

倖梅(和歌山県日高郡みなべ町)

●無添加・伝統製法にこだわって

日本人には一番なじみ深い漬物のひと「梅干。よく熟した梅の果実を塩漬けして干したもので、長期の保存がきき、疲労回復のほか抗菌・防腐作用があります。
梅と塩、そして赤しそだけで漬けた伝統製法の梅干は、食養手当て法の中で用いられる「梅醤番茶」にも欠かせない食材です。

日本の伝統食の極みであり、正食でもよく使う梅干について、ムソーでは創業当初から一貫して無添加・伝統製法にこだわってきました。その間長くムソーの梅干を漬けてきたのが倖梅の桐本幸博さんです。戦後お父さんが梅の栽培と加工を始め、平成元年に幸博さんが倖梅を創業、昨年長男の雅史さんに社長業を譲りました。紀州南高梅の本場・みなべ町で梅干一筋に生きてきた職人肌のご一家です。

●木で完熟した梅を使用

「有機・梅干」の有機青梅と有機赤しその生産者は、奈良県西吉野で約20年前から有機栽培に取り組む「大和まごころ会」です。鶴田稔光さんと長男の英夫さん、仲間の仲間の熊代敬三さんの3名で有機梅を530アール(53反)、有機赤しそを80アール(8反)丹精して育てておられます。その他の梅干の青梅は和歌山県産の南高梅と小梅、しそは四国産です。
4月18日現在、樹上の梅の実はまだ小指ほどの大きさ。これから気温が上がり、ひと雨ごとにまろやかに玉太りしていきます。「品質の揃ったいい梅になるには、雨が多すぎても少なくても駄目。日照も必要だが蒸し暑いどんよりした日も欲しい」と、桐本さんは天をにらんで一喜一憂します。
6月中旬、収穫した梅が倖梅に届き、いよいよ梅仕事の始まりです。潰れにくく扱いやすいのは固い梅ですが、梅干にしておいしいのは完熟の梅。倖梅は梅産地にあるので、木で完熟した梅を仕入れることができます。

●「ええ塩梅」に漬ける職人技

まず青梅を品質や大きさで選別し、塩と梅を交互にタンクに入れるのですが、ここで梅の状態をみて塩の量を決めるのが難しいところ。干し上がりで塩分20%にするには、例えば多雨で水太りした梅なら塩を1~2%高めてやるという具合。「ええ塩梅(あんばい)に漬けるというのはいい言葉で、非常に奥深いのです。」梅に携わって37年、幸博さんは今もこう語ります。
上がってきた梅酢を汲み上げて循環させつつ約1ヶ月塩蔵した後、梅酢に沈んでいる梅を蒸篭に入れて出し、タンクの上の方の梅から順に干していきます。そしていわゆる土用干し、梅雨明けしてから3~4日干します。干した梅は白干しの状態で10kg樽に入れて熟成させ、注文がきたら水洗いして表面の塩分やゴミを除き、しそ液に約3週間漬け込みます(「マイルド15」はこの時に醸造酢と昆布エキスを加えます)。仕上げに1日ほど天日干しして完成です。

桐本家は一年中食卓に梅干を欠かしません。地元みなべの小学校では薄めた梅酢でうがいを励行し、風邪予防に役立てている由。身近で奥深い健康食品、梅干の良さを見直してみませんか。

冨貴食研(大阪府高槻市)

●有精卵で作るシンプルなマヨネーズ

身近な調味料のうち、マヨネーズは手作りしやすい品のひとつ。卵黄と酢の中に油を少しずつ垂らして混ぜると、とろ~りとマヨネーズになっていく不思議…子どもの頃、お母さんの手元を見つめた方もいるでしょう。

ムソーのロングセラー「有精卵マヨネーズ」は、そんなご家庭の手作りに近い味。厳選したシンプルな材料を使い、一切の食品添加物を使わず、少量生産を貫いています。

卵は、元気な鶏が産んだ有精卵。親鶏は日本国内で育種改良された純国産鶏「もみじ」で、褐色の殻の色から赤玉とも呼ばれます。1㎡あたり4.8羽で平飼いし、メス10羽に対してオス1羽の割合で混飼しているので、恋が生まれれば自然交配し、有精卵が得られます。

油は、オーストラリア産非遺伝子組み換え菜種を圧搾法で搾った一番搾りの菜種サラダ油を使用。酢は醸造酢にこだわり、内堀醸造のワインビネガーと米酢をブレンドして使用。ワインビネガーの個性的な香りとクセを、米酢がまろやかに調えるよう考え抜いたブレンドです。食塩は赤穂の天塩、砂糖は三温糖、香辛料はマスタード、セロリー、ナツメグ、コショウです。

●1個1個、自社で手割り

製造は、有精卵を全卵のまま仕入れ、殺菌のために食酢を薄めた水に浸して手で拭き、1個ずつ手で割るところから始まります。あらかじめ卵の中身だけの卵液を使うメーカーが多い中、鮮度と安全性を大切にする仕事ぶりに頭が下がります。

マヨネーズには粘度とコクがある卵黄タイプと、なめらかであっさりした全卵タイプがありますが、「有精卵マヨネーズ」は全卵6:卵黄4の割合です。「マヨネーズは卵黄レシチンの乳化作用で、酢の中に細かい油の粒を分散させたものです。有精卵マヨネーズは卵黄を加えて適度な粘度とコクを出しています」と商品開発担当の宮井絵理さん。

作り方も基本的にご家庭の手作りと同じですが、原料に油を混合する工程のみ、専用の乳化機を使います。真空状態で攪拌することで酢と油がきめ細かく混ざり合い、分離しにくい製品が生まれます。

●金ごま100%、香ばしい香りとコク

一般の乳化液状ドレッシングには食品添加物の乳化剤、分離液状ドレッシングには増粘剤が使われがちですが、「旬菜健美・胡麻ドレッシング」のとろ~りとした仕上がりは、マヨネーズと同様、卵黄レシチンによる乳化作用です。もちろん食品添加物は一切使っていません。

原材料はマヨネーズと同じ菜種サラダ油をベースに、丸大豆醤油、米酢、三温糖、ごま、卵黄、香辛料(マスタード)です。特にごまは味、香り、コクともに最高といわれるトルコ産の金ごまを100%使用。国内2社のごま専門店で鉄釜で芯からじっくり焙煎し、油が出ないようサラサラに摺ってもらっています。

「小さな会社ですから、どの品も本当に手作りに近く、充填も包装も手作業。作り手の心がこもったマヨネーズやドレッシングをご賞味ください」とメッセージをいただきました。

タキガワ菜種生産組合

●消えゆく日本の  菜の花畑

菜種はかつて日本各地の農村で栽培され、地元の搾油屋さんで炒って搾って菜種油となり、家庭の調理油として広く庶民に使われてきました。国産菜種の年間生産量は昭和30年代に約30万トンのピークを迎え、自給率は100%でした。

しかし1961年の大豆貿易自由化(油糧大豆輸入)、1971年に菜種輸入自由化で価格競争に負け、国内の菜種の作付け面積は急減。さらに、カナダを主生産地とするキャノーラ種は当時すでに低エルシン酸に品種改良されていましたが、日本在来種の菜種はエルシン酸含有量が多く、食用油として大量摂取すると心臓への負担が発生すると指摘されたことも逆風となりました。
近年の国産菜種の年間生産量は2千トン未満。自給率は0.04%に過ぎず、ほぼ全量をカナダやオーストラリアからの輸入に頼っているのが現状です。

●日本一の菜種の町  たきかわ

そんな中、地域ぐるみで菜種栽培に取り組み、栽培面積を増やしてきた町があります。北海道のほぼ中央部、石狩川と空知川に挟まれた平野部にある滝川市です。
滝川で菜種栽培が復活したきっかけは、1990年に東北農業試験場で開発された低エルシン酸の国産品種「キザキノナタネ」 です。積雪寒冷地でも越冬でき、収量も優れていたことから1992年、北海道の優良品種に認定されました。
たきかわナタネ生産組合の宮井誠一組合長(73才)は当時、こう説いて回りました。「研究者が苦労して開発したこの菜種を、我々は頑張って作らねばならん。そうすれば心ある消費者が必ず現れる」。1999年頃から次第に栽培面積が増え、2000年にナタネ生産組合が発足。2010年の菜種作付面積は187ha、単一市町村としては日本一です。

現在、58名のメンバーが畑作の輪作作物として菜種を栽培しています。宮井さんは小麦→菜種→小麦→大豆→ビート→小麦→という作付け。「菜種のあとの小麦はよく育ちます。油分豊富な茎葉を鋤き込むからでしょう」。8月下旬~9月上旬に種をまき、1週間ほどで出芽。冬の間は雪の下で越冬し、3月下旬から4月上旬の雪解け後に再び生長を始め、5月に黄色い菜の花を咲かせ、7月下旬頃から収穫します。
組合では栽培技術を学び合うほか、菜種の花が咲き揃う晩春には毎年「菜の花まつり」を開催。2011年2月、北海道開発局が地域活性化に貢献する活動をたたえる「わが村は美しく・北海道」運動第5回コンクールで、たきかわナタネ生産組合は景観部門で特別賞、地域特産部門で銅賞を受賞しました。

●日本初の国産菜種  サラダ油、誕生

2010年夏、滝川町の菜種生産者と、圧搾製油メーカー平田産業(福岡県朝倉市)、国産菜種油を拡販するムソーがともに手を取り、滝川産菜種100%の「国産なたね油」が発売されました。さらにこのたびムソーから発売する「国産なたねサラダ油」は、財団法人 日本油脂検査協会(2011年4月1日より公益財団法人日本油脂検査協会に名称変更)のJASに指定された認定工場から生まれた日本初の国産菜種使用の菜種サラダ油です(※)。
まず菜種を蒸して焙煎し、機械の圧力をかけるだけの圧搾一番搾りで搾油します。搾った原油に酸を加えてガム質などの不純物を沈殿させ、次に約70℃のお湯で8~10回湯洗いをし、水と油が分離する力を利用して不純物を取り除いたのが「国産なたね油」です。「国産なたねサラダ油」はこの後、白土と活性炭で脱色し、高温高真空状態で水蒸気を加えて脱臭します。
ムソーは今後、国産なたねサラダ油を使ったマヨネーズやドレッシングなどの開発も進めます。育てる人・搾る人・運ぶ人がスクラムを組んだ取り組みが、日本の農業を元気づけ、自給率アップの一助になればと願っています。

森田商店(愛知県知多郡武豊町)

●岐阜県山岡町の特産品

江戸時代の冬、天草(テングサ)を煮溶かして作った「ところてん料理」が夜間に凍結し、日中乾燥して干物のようなものができました。これが寒天の発祥とされています。寒天作りに向くのは内陸性気候で冬は乾燥し、昼夜の温度差が激しい地域。こうした自然条件に恵まれた長野県諏訪地方で角寒天、そして岐阜県恵那市山岡町で糸寒天が盛んに作られるようになりました。

山岡町の糸寒天作りは大正時代に冬場の農家の副業として始まり、現在も12軒の生産者がおられます。全国の糸寒天の8割以上が山岡町産で、ムソーの「国内産無漂白・糸かんてん」もここで作られています。

●国産天草100%・無漂白

天草は日本全国の海で採れますが、今は安価な輸入天草(韓国・中国・チリ・モロッコ産など)が年間1000トン以上輸入されており、国内の年間生産量は約500トン。輸入品とブレンドした寒天製品が多い中、「国内産無漂白・糸かんてん」は国産天草100%です。最高のコシと粘りを求めて、今年度は千葉、伊豆半島、和歌山、徳島産などを合わせて使いました。

春から夏、漁師さんが海中や磯で天草を採り、水洗いして天日干しして俵状にまとめ、地元の漁協で入札にかけます。海藻問屋の森田商店はこれを吟味して仕入れ、山岡町にある専属工場・丸中寒天工場に持ち込みます。冷凍設備の助けを借りる工場が多い中、西尾明美さん(60才)を頭領に伝統製法を守る丸中寒天は、あくまでも天然凍結・天然乾燥。気温が氷点下になる12月から2月限定の冬仕事です。

●職人技による伝統の寒造り

天草を洗ってあく抜きしたあと、檜製の胴をのせた鉄の大釜で炊きます。この炊き方で寒天の出来が左右されるので、勘と経験がものをいう作業です。上手に炊きあがると大釜から勢いよく湯気が出ます。これをカエリといいます。

炊き上がった天草を濾過する際、一般的に漂白剤を使用しますが、「国内産無漂白・糸かんてん」は正真正銘の無漂白です。搾って容器に流し込み、温度が下がってくると生天のできあがり。恵那山の麓に杭打ちして作った干し場のヨシズに、巨大なところてん突きで糸状に突き出していきます。

外気温が下がり、生天が凍り始める直前に氷の塊を削り、粉状にして振りかける凍てとり作業が行われます。これは生天が凍り始める「核」を作るための作業で、まだ温かい時では早過ぎるし、凍り始めた後では遅い…その見極めが非常に難しい、まさに職人技です。

干し場に並んだところてんは、凍結・乾燥を繰り返すうちに水分が抜けていきます。じっくり2~3週間かけて干し上がった糸寒天を取り込み、完成です。夏場に採取した天草が、自然の力と人の手を経て約半年。「国内産無漂白・糸かんてん」として皆様のもとに届きます。

近江製茶(滋賀県甲賀市土山町)

●三年番茶の由来

昔、ある村で中国から渡来した僧が、村人のために寒中、野生の茶の木を伐採されました。太い枝のところはナタで割って、焙じたのち茶つぼに入れ、口を和紙でふさいで紐で結わえました。そして納屋や物置の上に三年以上放置し、順に煮出して使いました。これがいま正食家に広く愛飲されている三年番茶の由来だとされています。

普通の番茶と違う点は、陰性で広がっている葉ではなくて陽性で締まっている茎だけを使い、さらに高温で焙煎することによってより陽性の性質を高めている点です。ですから陰性体質で胃腸が冷えている人や腸が緩んで便秘がちな人に、また心臓が弱って血液循環の悪い人におすすめです。

●成熟した茎と葉を、さらに熟成

発売以来、長く愛され続けている無双番茶は、この三年番茶の良さを受け継ぐ「ほうじ番茶」です。原料の茶葉の生産地は主に静岡県、滋賀県、三重県、奈良県です。

5月に新芽を摘んだ茶の木は、夏から秋にかけて栄養を蓄え、茎や葉が硬くなっていきます。生産農家は、十分成熟した茎と葉を9月~10月に収穫・選別し、蒸して揉み、乾燥させて近江製茶へ出荷します。

近江製茶は明治4年創業、本物の香味を追求する近江茶の老舗。無双番茶の発売時からずっと仕上げ加工をお願いしています。原料茶葉は近江製茶で木箱に入れて半年から1年寝かせて熟成させ、風味がまろやかになったところで順次焙じて「無双番茶」となります。

●太い茎を焙じた香ばしさと旨み

11月下旬に訪ねた近江製茶は、お茶を焙じる何とも香ばしい匂いでいっぱい。柱に貼られた火事封じのお札に、火を扱うお茶屋さんの敬虔な気持ちを感じます。

焙煎の前に、まず茎と葉を合組(ブレンド)します。茎と葉の割合は、無双番茶は8:2、有機無双番茶は7:3。茶の木全体のうち茎は2割しかなく、有機栽培の原料茶はさらに希少なため、この割合になっているそうです。

合組した茎葉は鉄釜で、丁寧に焙じられます。「一般の焙じ茶は2~3分で仕上げますが、無双番茶はじっくり15分焙じます。茎が多い分、芯まで焙煎したいので」と社長の川﨑裕子さん。

無双番茶の素晴らしさは、その風味のよいことです。毎日飲み続けても飽きがきません。これは陽性な太い茎を高温で焙煎したときにできる独特のうまみ成分のおかげです。醤油や味噌が焦げたときのあの何ともいえない風味と似ています。カフェインが少ないので赤ちゃんの飲み物としても最適です。

川﨑さんご自身も有機・無双番茶のファンで、水筒に入れて持ち歩いている由。「緑茶と違って変色しませんし、どんな食事とも相性がよく、後口がさっぱり。手放せません」とのこと。おいしいお茶を知り尽くした人の賛辞、説得力がありました。

廣八堂(福岡県朝倉市)

●日本の伝統食の極み

葛は、古事記や万葉集の昔から日本人の暮らしと深い関わりを持ち、根は食用や漢方薬に、葉は家畜の飼料に、蔓は布の繊維に、花は民間療法の素材に活用されてきました。とりわけ葛根から採れる葛粉は、世界でもっとも質の高い澱粉として知られ、その繊細な風味と食感は高級和菓子の材料に欠かせないものでした。

葛には、筋肉や血管の緊張を取る作用や、炎症を和らげ熱を下げる作用があるイソフラポノイド(ダイゼイン)という成分が含まれています。葛湯はそうした薬効を上手に利用した飲み物です。マクロビオティックでも、葛粉を溶いてとろみをつけたり、胃腸をいたわりたい時などによく使います。

●1kgの葛根から100gの葛粉

福岡県朝倉市秋月は、かつて藩の奨励によって本葛の大生産地として栄えた城下町です。廣八堂はこの地で明治8年に創業以来、本葛粉を作り続けて百三十年余り。日本全国に流通する葛製品の3〜4割を生産するトップメーカーです。

その品質追求の姿勢は創業当時より代々受け継がれ、精製技術の練磨をも促し、現在に至っています。純度の高い真っ白な本葛は、葛根の採取・集荷から精製、加工、仕上げまですべての工程を自社による一貫体制で行う、廣八堂の真摯な姿勢から生まれます。

葛根の採集は、葛葉が落ちた12月から3月までの冬季。ちょうど農閑期にあたるため、農家の人が「掘り子」となって活躍します。国有林に営林省の採取許可をもらって入り、長年の経験と勘で手掘りするのです。廣八堂では約150人の堀り子さんと提携し、鹿児島を中心とする南九州一円から良質の葛根を採集します。

山奥から1本10kg以上、大きなものでは100kg近い葛根を掘り出すのは重労働です。廣八堂では約10年前から宮崎県都城の畑で、葛の有機栽培を始めました。堀り子さんの高齢化で天然の葛根が万一入手困難になっても、伝統の原材料を守り抜くためです。

●伝統製法と近代設備の融合

土の中で育った葛根は茶色い無骨な姿。これを風味豊かな真っ白い葛粉に生まれ変わらせるのが、廣八堂ならではの技術です。集荷した葛根から澱粉だけを濾過機で取り出し、「寒晒し」と呼ばれる伝統的な製法に基づいて純白の本葛粉を作ります。

「寒晒し」とは、葛根の不純物を取って精製する作業のことで、何度も何度も水に晒す大変手間のかかる作業です。廣八堂ではこの精製から洗浄、乾燥までの工程をすべてコンピュータで自動化することに成功。品質向上と安定供給を実現しています。しかし、やはり葛のおいしさを最後に決めるのは人間の舌。最新鋭のシステムにパスした製品も、最終的には専門家が自分の舌で賞味して、合格印を押します。

「葛に限らず、和菓子や日本料理の原材料の多くは、古来より日本文化の一端を担ってきました。やはりその土地で育ったものはその土地固有の味を出すものです。風味とは風土の味です。日本古来の葛を守り伝えてまいります(五代目社長・田口和博さん)」。

日本の伝統食の極みともいえる「本葛」を、豊かな食卓や健康づくりにお役立てください。

内堀醸造株式会社(岐阜県加茂郡)

酢造りにかける伝統的な考えはそのままに、科学的な方法や技術革新に積極的に取り組む。

「温故知新」を地でいくお酢屋さんです。

●酢造りは酒造りから

「酢という文字は酉(酒)から乍(作る)と書くように、よい酢造りはよい酒(酢もろみ)造りから始まると私たちは考えています」と語るのは、明治9年創業のお酢屋さん、内堀醸造の内堀泰作さんです。

内堀醸造で酢を造る工程は、大きく3つに分かれます。まずはアルコール発酵による「酒(酢もろみ)造り」。米酢は原料米を精米して蒸して米麹を作り、純米酒と同じ仕込みを経て、酢にするための日本酒=酢もろみを造ります。りんご酢はりんご果汁からアップルワインを造ります。厳選した原料を伝統的な手法で丁寧に仕込む、酒蔵の仕事がここに生きています。

●菌との対話を大切に

次は酢酸発酵による「酢造り」。できあがった酒に酢酸菌を加え、アルコールを酢酸に変えていきます。内堀醸造では、おいしい酢を造る酢酸菌が最も活発に活動するよう、菌や温度をコントロールします。菌が育ちやすい環境かどうかコンピュータでチェックするなど、最新技術を積極的に取り入れることで、高品質のお酢を安定して造っています。発酵の技術が進んでも、酒造りも酢造りもすべて微生物の活躍があってのもの。そして微生物が元気に活動するために欠かせないのが、水と空気です。内堀醸造は2006年、きれいな水と清い空気を求めて長野県飯島町にアルプス工場を新設。菌と対話しながら、万全の品質管理でその可能性を引き出しています。
できあがった酢はタンクで「熟成」されます。一般的に酢は熟成すればするほど色が濃く、まろやかな味わいになります。
やさしい酸味、コクと旨みが増した「有機・玄米酢」「本造り米酢」「純りんご酢」は、こうして皆様のもとに届きます。

●お酢をもっと身近に、手軽に

昔ながらの玄米酢や米酢に加えて近年は、ヘルシーな酢をおいしく手間なく摂る提案にも力を入れています。2010年12月発売の「肉・魚の煮込み用あわせ酢」もそのひとつ。「お酢料理を作りたいけれど味加減がわからない、忙しい日にさっと使える合わせ調味料がほしい、という声に応えて一般市場用に開発した『いろいろ使える煮込み酢』。その原材料をより安心安全な品にグレードアップし、完成したのが今回の『肉・魚の煮込み用あわせ酢』」です」と、内堀醸造営業部の木田憲さん。従来品に使用していた米酢を「本作り米酢」に替えることで、旨み豊かな合わせ酢となりました。先日のムソー大商談会でも、これ1本を使った豚の角煮が大好評!でした。ぜひお試しください。