意欲的な有機梅の生産者を求めて
日本の伝統食の極みであり、正食でもよく使う梅干を、ムソーは創業当初から大切にしています。酸っぱい&しょっぱい昔ながらの「有機・梅干」を基本として、梅干を作るときにできる「有機梅酢」、有機梅肉と有機醤油を練り合わせた「有機梅醤 陽寿」など…。ムソーの理念の結晶ともいえるオーガニック梅加工食品の伝統を守り、さらにブラッシュアップして次世代に手渡すには、原料となる「国産の有機梅」を安定して確保せねばなりません。そのために、栽培にも経営にも意欲的な有機梅の生産者、これから地域のリーダーとして期待できる若手の生産者と出会いたい。そんな“イキのいい梅農家”は、どこにいる?
「MUSO有機うめの会」スタート
深見梅店(和歌山県西牟婁郡)の深見優さんに相談すると「地元の仲間を紹介しますよ」と、心強い言葉が返ってきました。深見梅店は創業1940年の梅干専門店。2009年からは自社農園で有機梅やしその栽培も開始しました。ムソーの「有機・梅干」「有機梅酢」の加工に続いて、昨夏にはムソー食品工業が、奈良市月ヶ瀬から深見梅店の隣へ移転。無双本舗ブランドの梅醤エキスなどの製造も引き受けています。“地元の仲間”とは、和歌山県下で有機梅を栽培して深見さんに販売している生産者のこと。深見さんが購入した有機梅は、すべて加工品(有機梅干、有機練り梅、有機梅酢など)の原料となっています。ただし、転換期間中有機の梅は、その付加価値を認められることなく、これまで国産レベルの原料として使用してきた由。それはもったいない話です。2024年2月、ムソーグループ(ムソー食品工業、ムソー、むそう商事)として第1回「MUSO有機うめの会」を開催。若手を中心に有機梅生産者約20組が集まり、熱心に話を聞いてくださいました。
転換期間中有機の梅も、商品に
話し合いの中で出たのは、「自分たちの梅が、どう加工されて商品になるのか知りたい」「転換期間中有機の梅も引き取ってほしい」という切実な声でした。日本のオーガニックを拡げる一助として、転換期間中有機農産物に注目してきたムソーグループは、この提案を快諾しました。2023年初夏に収穫し、深見梅店で塩漬けし土用干しして梅酢に漬けて保存していた転換期間中有機の「白干梅」を、ムソーブランドで新発売します。しそを使わない白干梅はムソーブランドでは初めてですが、原料しそ不足の影響もあって、すでに世間では白干梅が主流の由。試食してみると、薄い皮の中にとろけるような果肉、梅そのもののフルーティーでジューシーな味、本当においしい!定番の「有機・梅干」に比べてお求めやすい価格です。販売店様、最終ユーザー様にも「転換期間中有機」の意味と価値をご理解いただき、応援よろしくお願いいたします。