~糸を引きやすく、ほくっと柔らかいレンコン~
茨城県屈指のレンコン産地・稲敷市の浮島地区で、何十年にもわたり、こだわりのレンコンを作り続ける山田庄三さん(66才)。浮島地区は砂状土質が多い場所です。栄養たっぷりではありませんが、栽培に欠かせない水の管理や、レンコンの表面の色に対し有効に働く土質ということもあり、良質のレンコン作りを行える場所。そこで長年の経験と勘に加えて、化学的な土壌検定に基づく肥料などを効果的に使用し、どっしりと重く甘みあるレンコンを栽培しています。農薬・化学肥料を使用しない特別栽培です。
10月下旬、たっぷりと水のはられた圃場では、舟(掘ったレンコンを入れる道具)を引きながら収穫の真っただ中。少し前はご夫婦でやっていましたが、息子の和生さんが正式に後継者に決まり、今は3人で作業しています。「齢も齢なので、そろそろ引退を考えないと」と悩んでいましたが、息子さんが一念発起してくれて、今は以前にも増して元気が出た由。
「自分のやり方を教えつなぎ、後は息子の考える理想を作ってほしい」と山田さん。和生さんは「親父のやり方をまず学んで、自分が思う理想のレンコンが作れるようになりたい。“この品質だから、この内容だから、どうしてもこの価格で売りたい。絶対に損をさせないから”と言い切れるものを目指したい」と若い力に満ちた言葉を頂きました。
山田さんのレンコンは早生系ではなく、どちらかというと昔ながらのレンコン。糸を引きやすく、ほくっと柔らかい食感で、煮物などに最適です。手軽に食べるのであれば、1~1.5cm程度の輪切りにしてフライパンやオーブントースターで焼いて、塩を振るのがおすすめ。食感、風味、味が活きますよ! 今年は台風などもなく順調に出荷がスタート、これからの季節が最もおいしくなります。親子2代、理想を追い続けるレンコンをご賞味ください!