茨城県でも有数の野菜の大産地である行方市で、昔からチンゲン菜づくりに精を出している関さん(65才)と横瀬さん。この道30年以上のベテランです。
もともとはJAや市場流通を中心に慣行栽培で出荷していましたが、20年程前に将来を考えて不安を感じ、当時徐々に注目され始めていた農薬や化学肥料を使用しないといった栽培方法に着目し、取り組みを大きく転換しました。
慣行栽培から転換した当初は本当に不安だったと語る関さんたち。圃場に出回る時間も回数も大幅に増え、相当な苦労をされました。3年近く経って、ようやく転換前くらいの出荷量が見込めるようになったものの、それでもお天道様とにらめっこ、ちょっとした事にも気をつけて対策を練らないと商品にならないこともしばしば。たくさんの経験と工夫と努力を続け、やっとお届けして恥ずかしくないチンゲン菜が安定してできた頃には、10年近くが経っていたそうです。
現在は、特別栽培農産物基準(農薬使用有り、化学肥料使用無し)のチンゲン菜を出荷しています。圃場はきれいに整い、ハウスの中は緑のじゅうたんを敷き詰めたよう。ほのかに薫る青野菜のふんわりとした香りの中で、淡くきれいな緑色のチンゲン菜たちが元気に育っています。 「チンゲン菜だからなー。多少はエグミはあるよ。試しに生でかじってみるといいよ」と勧めてくれるので、そのまま生でガブリ。ほんのりとエグミはあるものの、シャッキシャキでみずみずしく肉厚なチンゲン菜は、日頃食べるチンゲン菜とは全く違った風味と味わいでした。チンゲン菜一筋の「匠」が作るチンゲン菜。ぜひ、そのおいしさをご賞味ください。