~ヘルシーなごまを手軽に~
ごまはカルシウムをはじめとするさまざまな栄養素を含んだ健康食材で、マクロビオティックでは塩と合わせたごま塩として、玄米ごはんにふりかけていただきます。良質のたんぱく質、食物繊維、脂質だけでなく、ごま独自の抗酸化物質「セサミン」が摂れるのもうれしい点です。四十年ほど前までは、あらいごまを焙烙(ほうろく)で煎り、煎ったごまをすり鉢ですって使うご家庭が大半でしたが、昨今は手軽な「いりごま」「すりごま」が人気です。このたびムソーは、国内産白ごまと国内産黒ごまに続いて、ご要望が多かった「国内産いりごま・金」「国内産すりごま・金」を新発売します。協力工場は国内産白ごま・黒ごまと同じ、ごまの大村屋です。
~希少な国内産金ごま
原料の金ごまは、鹿児島県徳之島と長崎県島原を中心とする九州産です。栽培時に農薬は一切使いません。5月に種を蒔き、9月に草丈1mほどに育つと薄紫色の花が咲き、サヤの中にごまが稔ります。鎌で刈って束ねてよく乾かすと、サヤが割れて実が顔を出します。束ごと叩いて脱粒し、選別して出荷するまでが農家の仕事です。
このように、ごま栽培はほぼ手作業で手間がかかり、生産者の高齢化もあって国内生産量は減少の一途です。食用ごまの99.9%は輸入で、国産は0.1%、その中でも金ごまの自給率はわずか15~20%といわれています。2019年と2020年の九州は幸い天候に恵まれ、収量が安定したおかげで、「国内産いりごま・金」「国内産すりごま・金」のご紹介が可能になりました。~
~少量ずつ香ばしく自社焙煎~
大村屋では「絹こし胡麻」や「ねり胡麻チューブ入り」の原料として、厳選した中南米産の白ごまと黒ごま、トルコ産の金ごまも使用していますが、「国内産ごまは海外産より小粒なので、選別にも加工にも、より繊細な技術が必要です(大村屋・黒子さん談)」。工場に到着した国内産ごまは、水洗いして熱風乾燥した後、細かい石や葉をさらに選別してから、200度くらいの熱風で5分ほど焙煎します。小粒な国内産ごまは焦げやすいので、熱を通し過ぎて苦味が出ないよう、少しずつムラなく仕上げていきます。香ばしい食欲をそそる香りがしてきたら「いりごま」の完成。いりごまを粗ずりし、さらに圧をかけて細かくしたのが「すりごま」です。ごまの香味と栄養価を損なわないよう、できるだけ熱をかけずにすり潰しています。