一戸義則さん(67才)は、土の基本となるたい肥作りを自らの手で行い、自身が納得できる状態に仕上げ、畑に使用する徹底ぶりです。自慢のたい肥をにぎりしめて状態を確認しながら「すべての基本は土づくりからだからね」。
もともと土質的にはごぼうの栽培に適した地域ですが、それに甘んじず、農薬や化学肥料に頼ることなくしっかり元気で、しかもおいしいごぼうを作りたいと思い、今の栽培方法に至りました。「やっぱり“おいしい!”と言ってもらえるのはうれしいし、何よりも励みになる」とのこと。
掘り取りを進めると、まっ黒な土の中から、すらっと長いきれいなごぼうがたくさん。収穫しているそばでも、ごぼうの香りがふわっとただよってくるほど。掘り取りしたごぼうは、自身の作業倉庫に運び込み、人の目で状態を確認しながらサイズごとに分別し、箱詰めします。
ずいぶん丁寧かつきれいに分別するんですね。「有機栽培にこだわっているから、どうしても見た目の問題があったりもする。そして多くの場合、サイズなどが混ざった状態でお届けになることもあるだろうけど、使う人は大変だろうなって思うから、できる限りきれいに分別して、きちんと評価してもらえるものに仕上げたいんだよね」と。“自身ができることの一番”をつめこむ姿勢が素敵です。 お届けの際にはカット品となりますが、しっかりと実のつまった香り豊かなごぼうです。お料理にコクと深みを出してくれます。