~国産有機の六条大麦100% ~
初夏の麦の刈り入れの季節を「麦秋」「麦の秋」といい、大麦や小麦が熟して畑一面が黄金色になる初夏の季語です。“秋”は穀物が成熟して収穫を迎える時期を意味します。
麦秋という美しい言葉が残るわが国ですが、日本の小麦の自給率はわずか15%、大麦・はだか麦は12%しかなく(※)、麦茶の原料に限ればカナダやオーストラリア、アメリカからの輸入に頼っています。
そんな中、ムソーでは国産有機大麦にこだわった有機麦茶をお届けしています。品種は麦茶に適した良質の六条大麦100%です。
※「令和2年度(概算)食料自給率について(農林水産省)」より
~砂炒り焙煎+四度炒りで、香ばしく~
協力工場のミエハク工業は1946年創業。戦後の食糧難を補うべく、政府委託加工工場として大麦加工を始めました。現在は主に三重・滋賀・福井で収穫した国産大麦を、麦茶や押麦などに加工しています。
麦茶の製法は一般的な熱風焙煎ではなく、昔ながらの「砂炒り焙煎」。鉄釜の中で熱した砂(粒状の珪砂)を循環させ、その中に大麦を通して炒り上げる方法です。砂の熱で麦の芯まで焙煎することにより、麦の香ばしい味と香りを引き出します。
さらなるこだわりが、4台の釜を使用した国内でも珍しい「四度炒り」。それぞれの釜で温度設定を変え、じっくり丁寧に芯まで焙煎することで、より大麦の甘みと香りが引き立ちます。仕上げの四釜(最も高温になるレンガ釜)の遠赤外線効果によって、深みのある味わいに。夏場の室温は40℃、火の通りを見極める職人さんは汗だくです。
炒り上がった大麦を冷風乾燥機で冷まし、ふるいにかけた後、丸粒の麦茶はそのまま袋詰め。ティーバッグ用は煮出しでも水出しでもよく出るよう、粗く砕いて無漂白ティーバックに詰めて出来上がりです。
~ 春夏秋冬、いつもおいしい ~
「今は麦茶もペットボトル入りを買う方が多いですが、ごくごく飲むお子さんがいれば1日1本でも足りないでしょう。ご家庭で作れば経済的ですし、プラスチックごみの削減にもなります」と、ミエハク工業の小林育子社長。近頃は、濃縮タイプの麦ポーションまであり、原材料名を見ると「大麦、麦芽糖/トレハロース、香料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)」。これを水で薄めれば“本格的な麦茶が瞬時にできる”そうですが、飲みたいとは思いません。
「麦茶ぐらい自分で作りましょうよ、というと今のご時世、叱られるかしら。でも一手間で、本当においしい麦茶がたっぷり飲めますから」。手軽なのはティーバッグですが、一番おいしく飲めるのは丸粒をやかんで煮出す昔ながらの方法です。濃い味わいと豊かな香り、雑味がなくスッキリした水色、一手間かける価値があります。
夏は冷やしてゴクゴク、秋から春までは熱い麦茶でほっこり…香ばしさとさっぱりした喉越しをお楽しみください。