
日本五大銘茶の一つ「朝宮茶」
近江国(ルビ:おうみのくに)滋賀県の南東部、甲賀市土山町から信楽町に広がる丘陵地で栽培されるお茶を“近江の茶”と呼びます。この一帯は一日の気温格差が大きいため霧が発生しやすく、鈴鹿山系の伏流水にも恵まれ、茶づくりには理想的な土地柄です。近江の茶の中でも古来、愛好家に高く評価されてきた銘茶が、信楽町朝宮地区の「朝宮茶」です。“香りの朝宮”という美称の通り、特有の香気と滋味を持ち、日本五大銘茶の一つにも数えられます。近江製茶は明治4年創業、本物の香味を追求する近江の茶の産地問屋。地元の至宝・朝宮茶の魅力を広く知っていただくべく、このたび「有機 朝宮煎茶」を発売します。
“山の茶”の爽やかな香りを大切に
朝宮地区で原料の茶葉を育てる茶のみやぐらの圃場は、標高300~450mの山間傾斜地にあります。「信楽町の中でも朝宮地区は特に冬の冷え込みが厳しい。寒さのストレスに耐えてじっくり育つ朝宮茶は、分厚くたくましい“山の茶”です。山で育ったままの爽やかな香りを大切に、朝宮茶の特徴を保ったまま有機栽培したい、というのが私の考えです」と、取締役の樋口昌直さん。 ヤブキタ種の収穫は5月から7月まで続きますが、「有機 朝宮煎茶」は5月に収穫した一番茶のみを使用し、お茶本来の香りを重視する伝統の蒸し加減にもこだわっています。収穫した生葉はその日のうちに蒸して酵素を失活させ、5段階に分けて揉んで水分を飛ばしながら茶の形を整え、乾燥させて“荒茶”にして近江製茶に出荷します。
お茶の葉が開く時間を楽しむ
近江製茶の仕事は仕上げ加工です。原料荒茶を選別して火入れ乾燥し、合組(ブレンド)します。「樋口さんが1日で刈り取る量が1ロット。複数ロットを合組して品質を整え、完成です」。社長の川崎裕子さんに「有機 朝宮煎茶」を淹れていただきました。美しい水色、さわやかな香り、すっきりとした優しい味わい…煎茶ってこんなにおいしいんですね。「旨み、甘み、苦み、渋み、香りなど全体の奥行を重視しています。有機栽培で使える資材が限られる中で、どこまでできるか楽しんでいる感じです」。急須でお茶を淹れる人が減った、といわれますが、一度きちんと覚えると一生の財産です。「5分間ほど充分に沸騰させたお湯を使います。煎茶の場合は70℃まで湯冷まししてから急須にゆっくり注ぎ、蓋をして1分ほど蒸らし、湯呑みに少しずつ注ぎ分けて最後の一滴まで注ぎきる。二煎目はお湯を冷まさずに入れて手早く注ぎきる」。お茶の葉が開くのを待つひとときは、静かでピースフル。今年は自分のために、極上のお茶を淹れてみませんか。