木桶仕込み有機濃口醤油(ムソー)

新しいムソーブランドの醤油

コロナ禍以降、伝統製法の発酵食品が注目されて醤油のご注文が集中し、安定供給が難しくなり、お客様にご迷惑をお掛けしました。醤油の欠品は、お客様にもお店様にも大問題です。そこで、ムソーブランドの醤油の開発に立ち上がりました。ムソーブランド商品の開発・製造において、弊社が指針とする7つの基本姿勢の③に「発酵食品・伝統製法の推奨」があります。醤油の開発は、まさにこの基本姿勢をかたちにする仕事です。まずは、いろいろな醤油メーカーの情報を比較。テイスティングを繰り返し、新しいムソーブランドの醤油のイメージを探りました。いい意味で既存の商品と差別化できる醤油にしたい。そして、やるなら絶対に有機醤油にしたい。

本物の醤油を未来につなげる

さまざまな条件に最も合致したのが足立醸造(兵庫県多可郡多可町)です。ムソー「木桶仕込み有機濃口醤油」は、国産の有機丸大豆、国産の有機小麦、オーストラリア産天日塩を原料に2024年3月に仕込み、奥播州の酷暑の夏と氷点下の冬を超えて仕上がったもろみを、じっくり搾りました。2025年春の新発売以来、待望の“ムソーの国産有機醤油”は多くのお引き合いをいただき、リピーターのお客様も増えました。2026年春は仕込み量を増やし、本物の醤油を未来につなげます。

いつも隣にいてくれる醤油

ムソーで長年お取り扱いしている醤油といえばヤマヒサ(香川県小豆島)の醤油。原材料を厳選し、麹づくりから自社で手掛け、もろみは杉の大桶で添加物も加えず加温もせずに発酵熟成し、昔ながらの方法で搾る…ヤマヒサと足立醸造に共通するこだわりですが、出来上がる醤油は蔵ごとの個性があります。普段使いの濃口火入れ醤油どうしで比較すると、ヤマヒサの「純正濃口しょうゆ」はコクととろみのある重厚な味わい。こってりと濃く伸びがよく、少量の使用でお料理に旨みとコクが加わります。足立醸造が仕込むムソーの「木桶仕込み有機濃口醤油」は開封したときの香りがよく、軽くて爽やかな味わい。塩味と旨みのバランスがいいので、お料理の素材になじんで、毎日いろいろな場面で使いやすいお醤油です。蔵独自の味や香りを決めるのは、そこに長い年月棲む乳酸菌や酵母菌によって醸し出される「蔵ぐせ」や「桶ぐせ」だ、と醸造家は言います。温暖で雨が少ない瀬戸内海の小豆島と、夏は暑く冬は雪に埋もれる奥播州。天然醸造の醤油は風土にも影響されます。ご愛用の1本に加えて「木桶仕込み有機濃口醤油」もお試しください。一度使えば“いつも隣にいてくれる醤油”に昇格、間違いなしです。

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