カンタン八芳酢(ムソー)

~売れ筋の調味酢をムソーブランドで~
一般市場では、手軽に使える調味酢(食酢に他の調味料などを加えて味を調整したもの。合わせ酢、調合酢ともいう)のニーズが、ここ10年間で著しく拡大しています。「身体にいいお酢をもっと使いたいけど、味加減が分からない」「忙しい日にさっと使える合わせ調味料がほしい」…これから増える若い世代のお客様を想定して開発した「カンタン八芳酢」。2017年初夏の発売以来、おかげさまでご好評をいただき、ムソーブランドとして近年にない大ヒット商品に育てていただきました。「酢の物、ピクルス、南蛮漬け、甘酢あんなど毎日のように使うので、すぐになくなってしまう」というお声を受けて徳用タイプ(900ml)も発売。ユーザー様にもお店様にも喜ばれています。さっぱりしたものが欲しくなる初夏から大きく動き始める「カンタン八芳酢」。この機会に、開発ストーリーをもう一度ご紹介します。協力工場は、「国産有機純米酢」「国産純りんご酢」などでおなじみの内堀醸造(岐阜県加茂郡)。お酢造りにかける想いも高い技術も、信頼できるお酢屋さんです。

~テーマは「これ1本で、いろいろなお酢料理が作れる」~
目指したのは、汎用性が高い調味酢=「これ1本で、いろいろなお酢料理が簡単に作れる調味酢」です。
まず、ベースのお酢は、国産のお米から造った純米酢と、国産りんご果汁から造った純りんご酢をブレンド。米の甘みと旨みと重厚な香りに、りんごのフルーティーな風味を重ねて、幅広く和洋中の料理に合う酸味を作り出しました。さらに瀬戸内レモン果汁のさわやかな香りで、苦手な方も多い“お酢のにおい”をカバー。家族みんなで使える1本になりました。次に、甘味料のチョイスも重要です。一般品の主原料である果糖ぶどう糖液糖は、原料トウモロコシに遺伝子組み換えの心配があり、ムソーでは使いたくありません。代わりに北海道産ビートグラニュー糖で試作を重ね、控えめな甘みを添えました。これにはうれしい余得も…果糖液糖類の甘みは加熱すると感じにくくなりますが、砂糖の甘みは温めても消えないので、南蛮漬けや甘酢あんなどアツアツ料理にも使えるのです。

~驚きのこだわり!自社製一番だし入り~
化学調味料はもちろん、エキス類も使わないので、お酢のおいしさを支える「だし」にも徹底しました。北海道産利尻昆布を浸水してから3時間、弱火でだしをひいて引き上げたところへ、自社で削った鹿児島県枕崎産のかつお枯れ節をたっぷり入れて漉す。つまり和食の本格的な一番だしを、内堀醸造は自社でとっているのです。毎朝とった一番だしを、風味が落ちないよう、その日の午後一番に充填します。ピュアな一番だしで割ってあるから、素材の持ち味を引き立てる、やわらかな酸味とまろやかな味わい。酢の物の器に残った八芳酢も、残さずおいしく飲んでいただけます。

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