「転換期間中有機農産物」を使用した商品開発を進めます

国産有機原料の確保に一苦労
ムソーはここ数年、国産の有機大豆を中心とした国産有機穀物原料の確保に苦労してきました。原因は複数あります。天候不順による収穫量の変動、生産者の高齢化・生産労働人口減少による生産量の鈍化。さらにコロナ禍以降、オーガニック加工食品を選ぶ方が増えたことで有機原料の需要が高まり、「必要な時に必要な原料を必要な量だけもらう」という従来のスキームは通用しなくなっています。このように国産の有機穀物原料が不足する一方で、有機JAS認証制度の過程で生まれる「転換期間中有機の穀物原料」は積極的な購入に至らず、だぶついているのが現状です。

「転換期間中有機農産物」に注目
 「転換期間中有機農産物」は、「有機農産物」と同様に、認証を受けた生産者により有機的管理が行われた農産物です。 大豆や野菜などの一年生作物の場合、慣行栽培の生産者が有機的管理に転換しても初年度は有機の表示はできず、2年目でやっと転換期間中有機農産物、3年目で正規の有機農産物と表示できます。有機と同じ栽培方法で、有機JAS法上では有機農産物でありながら「転換期間中有機」なのです。加工メーカーの立場からいえば、転換期間中の原材料を使用したオーガニック加工食品を製造すると、包材にその表示が必要となります。有機と転換期間中の原材料を併用する場合は、表示や包装資材の管理、製造側での管理がさらに煩雑に。こうした事情が商品開発や製造の足かせとなっています。 生産者の立場からいうと、慣行栽培から有機への転換や新規参入の必須ステップである転換期間中有機農産物の需要が低いことが、有機栽培に挑戦する際のハードルになっています。

日本のオーガニックを拡げる一助に
ムソー、及びむそう商事とともにムソーグループとして日本のオーガニックを応援するために、生産者さん・加工メーカーさんと連携し、今後は転換期間中有機の原材料を使用したオーガニック加工食品を積極的に開発・流通させていきます。販売店様、最終ユーザー様にも「転換期間中有機」の意味と価値をご理解いただけるよう、情報発信に取り組みます。 ムソーが転換期間中の農産物をしっかり扱うことが、日本の有機の拡大に繋がる一助となるよう、息長く活動いたします。ご期待ください。(ムソー株式会社 代表取締役 出口裕起)

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