丸高水産(北海道札幌市西区)

大人も子どもも、サーモンが好き

日本国内のサーモン人気は高く、総務省の家計調査によると近年、生鮮魚介類別の1人あたり購入量の1位はサケ類です。また、マルハニチロによる「回転寿司に関する消費者実態調査2023」で、よく食べるネタを訊いたところ、12年連続でサーモンが1位に。その理由は「脂が程よくのっておいしいから」「炙りも生もおいしいから」「ネギやアボカドなど取り合わせが豊富だから」とのこと。1990年代以降、ノルウェーやチリの海面養殖による生食用のアトランティックサーモンやトラウトサーモンが国内流通しています。オレンジページが実施した「子どもが好きな刺身・生食の魚介類」のアンケートでもサーモンが1位で、子どもの頃からサーモンを生で食べる習慣が定着したようです。ムソーのクリスマス&おせち限定品「秋鮭スモークサーモン」も年々人気が上昇、一年中ほしい!というお声に応えて、このたび通年販売が実現しました。製造は年末企画と同じ丸高水産です。

北海道産の天然鮭「秋鮭」の魅力

川で生まれたサケは海へ下り、大きく成長して繁殖のために生まれた川へと帰ってきます。北海道では戻ってきたサケを海に仕掛けた定置網で漁獲します。水揚げのピークは9月から10月で、この時期に獲れるサケを「秋鮭」と呼びます。秋鮭は天然物ですから、輸入の養殖サーモンのような脂っこさがなく、日本人が古来好む、さっぱりした味わいです。  丸高水産は、最も魚体が良いとされる9月最終週から10月中旬くらいまでに北海道の太平洋沿岸で水揚げされた秋鮭の中から、身色、肉質、脂のりなどの基準をクリアしたオス鮭のみを買い付けて、氷詰めの水槽で工場に運び、その日のうちに加工にかかります。

ゆっくり熟成、じっくりスモーク

3枚におろして整形し、身に傷をつけないように手作業で細かい骨を抜いたフィーレに、職人さんが塩をふります。味が均一になるように、脂ののりや身の厚みを確かめながら塩をふるので、塩水に漬ける方法とは違って手間がかかりますが、ふり塩の浸透圧で水分が抜けて、いい感じに身が締まります。さっと塩を洗い、5℃で約15時間熟成(庵蒸)して塩分をなじませたら、いよいよスモークハウスへ。最初は風を送って表面を乾燥させ(前乾燥)、続いて北海道産広葉樹のチップの煙を入れて薫りをつけ(燻煙)、残りの煙で水分を飛ばします(後乾燥)。約一昼夜かけてじっくり燻製して、薫り高く色鮮やかに仕上げるのです。原材料は秋鮭と食塩(シママース)のみ。砂糖や香辛料を使わず、熟練の技で素材の味わいを引き出しました。シンプル・イズ・ベストの自信作、ご賞味ください。

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