圧搾一番しぼり胡麻油/煎らずに搾った胡麻油

正食でも欠かせない基本の油

正食の基本の油としても欠かせない「ごま油」。少しの塩と少しの油で野菜のうまみを引き出す「蒸し煮」や食養料理の代表「ひじきれんこん」には、色濃く香りの強いごま油を使います。洋風料理やお菓子には、ほぼ透明で香りがない生搾りのごま油を使います。
 前者にはムソーの「圧搾一番しぼり胡麻油」、後者には「煎らずに搾った胡麻油」をおすすめしています。2種類のごま油の特徴と、それぞれお勧めの使い方を、改めてご紹介しましょう。その前に少し復習を。

伝統的な圧搾法で、搾り出す

植物油の搾油法には、①圧搾法②抽出法③圧抽法の3つがあります。圧搾法は、原料に物理的に圧力をかけて油をしぼり取る昔ながらの方法です。抽出法は、ノルマルヘキサン(石油溶剤)に原料を入れて溶かして油を抽出し、その後溶剤を化学処理で取り除きます。圧抽法は、圧搾法で採油した一番搾りと、搾り粕から溶剤で抽出した二番搾りを混合します。 ムソーのごま油は2種類とも、ごまへの圧力だけで油を搾り出す伝統的な圧搾法です。

「煎って搾る」か「蒸して搾る」か

原料ごま種子の産地はナイジェリア、タンザニア、ブルキナファソなど主にアフリカの国々です。船で運ばれ残留農薬検査を経て、日本国内の専門工場へ。厳重に選別して砂など取り除き、ここから製造工程が分かれます。  「圧搾一番しぼり胡麻油」は原料ごまを回転釜で熱風焙煎し、香ばしい香りと色を引き出します。機械式ですが、ムラが出ないように微調整しながら煎り上げる職人仕事です。香ばしく焙煎したごまに圧力をかけて油を搾り、ろ過・静置を3回繰り返して余計な雑味を取り除き、完成です。

新しい使い方の提案も

 「圧搾一番しぼり胡麻油」は、炒め物や焼き物だけでなく、生でも使ってみてください。納豆、味噌汁、ドレッシングをかけたサラダに、食卓で“追いごま油”を少々…深い香りと濃厚なうまみが加わります。 「煎らずに搾った胡麻油」は、手作りシフォンケーキの材料として人気のオイル(冷めてもフワフワ&しっとり感が続く)。最近は“バターの代わりに焼き菓子に使う”手法がヴィーガンの方々にも人気。手作りパン屋さんの間では、低糖質パンの生地に少し加えると、小麦ふすまのクセを覆い隠して、日持ちもよくなる!と話題だそうです。


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