~肉厚で、噛むたびに甘みが出る“にら”~
日本のにらの生産量で第3位を誇る茨城県(平成27年度統計)の中でも特に生産量が多いのが、小美玉地区や鉾田地区。その一大産地の中で、こだわりのスタイルを貫く東ケ崎茂喜さん(63才)。年間を通して複数の野菜を作る農家さんと違い、本当に「にら」一筋です。にらは播種(種をまくこと)から収穫まで、1年以上かかります。びっくりするくらい長い時間をかけて、にらは育ち、皆さんの手に届くのです。東ケ崎さんのにらは本当に歯触りが良くさくさくと噛み切れ、肉厚で噛むたびに甘みが出てきます。肉厚のにらを作る工夫は?「ふつうはだいたい3粒程度の種を一か所に播いて、育ちを見て間引いたり等の調整をするんですが、私は1か所1粒播き。リスクはあるけど、その方が株がしっかりと育って太くたくましい、肉厚なにらができるんですよ」。実際に芽が飛んでしまって播き直しなんてザラ。普通の倍近い労力を惜しみなく使います。播種も毎日の栽培も、清潔かつ綺麗な選別場についても、やれるだけのことはやる。農家というよりも、洗練された「匠」のこだわりが随所に見受けられます。「おいしいにらを届ける」、その一念で取り組む自慢のにらをぜひご賞味ください。東ケ崎さんおすすめの料理は「にらしゃぶ」!相性が良いのは豚肉などちょっと脂っけがあるもの。にらをざく切りにして、しゃぶしゃぶと同じ要領で食べるんですが、これが本当においしい。にらの風味と甘みが際立つ料理です。