𠮷田孝吉さん(茨城県行方市)

~これぞ本物の大葉(青じそ)~

茨城県行方市(旧北浦町)はなだらかで平たい土地が多く、数多くの農家さんたちが日々切磋琢磨し、たくさんの農産物を育てている地域。吉田孝吉さん(70才)は、その中でも40年以上大葉(青じそ)栽培を続け、今では「匠の一品」ともいえる品質で“知る人ぞ知る”存在です。かつて慣行栽培で大葉を作っていた頃、自身の体調不良を感じて悩んだ時に、有機栽培を目指す先駆的な生産者団体と出会い、転機を迎えました。初めて「有機」という概念にふれ、微生物の力を借り発酵をしっかりと行った有機質肥料をたっぷりと使い、ミネラルバランスを考えた元気な土づくりに転換。「大きな栽培方法の変更というのは、万が一、全く大葉が育たなかったらと考えると、夜も眠れないほど不安だった」とのこと。でも、出来上がった大葉の品質を見たとき、あぁ、これで良かったんだなと心底思えたそうです。それから片時もその時の感動を忘れず、真面目に、ひたすら有機とは何か?を考え、書物、勉強会を通して自分と大葉の在り方を模索し続け、今の形にしてきました。大葉は日本に古くからある香草の一種。独特の香りと、鼻を突き抜けるような爽やかな風味が特徴です。そのまま刻んで薬味、お刺身の食べるつま、天ぷら等意外なほど調理方法が多いのもおすすめの一つ。初夏らしい爽やかさのある大葉をぜひご堪能下さい!

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