草枕グループ・右田忠利さん(熊本県玉名市天水町)

輸入率がひじょうに高いレモンとグレープフルーツ。これらはほとんど、輸出の際に防カビ剤が使用されます。防カビ剤にはOPPやTBZ、イマザリルなど、日本では農薬として認められないような強力な薬剤が使用され、たびたび残留が検出されて問題になりました。その背景からレモンは国産品が見直され、支持者も多いですが、国産のグレープフルーツはほとんど作られていませんでした。そこで20年ほど前に草枕グループの右田秀利代表(69才)が「俺が作る!」と枝を入手し、栽培を開始したのです。品種は「ホワイト」。昔なつかしい酸味が強めの品種ですが、香り高くさっぱりとした味わいで、酸味が強すぎる方は砂糖をまぶしたり、大人の方はワインやブランデーをかけてもおいしいです。現在は元警察官の長男、忠利さん(41才)が後を継ぎ、家族で約8ヘクタールの柑橘果樹園を経営しています。忠利さんは東京農大で植物学を学び、極力農薬を抑えながらも、木の樹勢と品質重視の栽培と出荷を心掛けている専門農家。3人の子どもを育てる良きお父さんです。「秀利さんは16年前に脳梗塞で倒れるも、足腰立てるまで回復。話はまだできませんが、年に一回泊まりに行くたびに酒を交わしながら、ニッポン農業に身振り手振りで檄を飛ばしています」

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