●小豆島の佃煮の歴史
小豆島は、江戸時代から続く醤油の名産地です。小豆島の佃煮づくりは、終戦直後の食糧難の時代、甘藷の葉柄(いもづる)を島の醤油で炊き、阪神方面へ出荷したのが始まりだそうです。その成功をきっかけに島をあげての佃煮づくりが始まり、醤油や素麺、オリーブと並ぶ特産品となりました。
宝食品の創業は1948年。四万十川のり、瀬戸内海のちりめんなど確かな食材を使い、島の良質な醤油で炊き上げる佃煮のおいしさに定評があります。ご好評の「島っこ」生のり佃煮(22324)は、小豆島産の生のりにこだわって、宝食品とムソーが2017年に共同開発した商品です。
●塩吹昆布の常識を超えた商品
ムソーと宝食品のご縁は2010年、ムソーブランドの塩吹昆布の開発から始まりました。一般的な塩吹昆布は、半乾燥の昆布佃煮に化学調味料の粉末をまぶしたものが大半。爆発的なうまみを感じますが、後でひたすら喉が渇きます。
一方、ムソーが作りたいのは「味付けはムソーが推奨する厳選調味料だけ」「うまみを調節するための化学調味料はもちろん、タンパク加水分解物も酵母エキスも不使用」「合成保存料、着色料など食品添加物は一切不使用」という、常識外れの商品でした。
「ムソーさんの思いに圧倒されて、とにかく試作を繰り返しました」と宝食品の松井友一さん。「その後の12年間で、“無添加”の佃煮を自社ブランドで、というご要望は増えましたが、ここまで厳格なお取引先はムソーさんだけです」。
●昆布のうまみを活かす、厳選調味料
主原料は北海道産の昆布、醤油は小豆島ヤマヒサの「純正濃口醤油」、砂糖は喜界島産粗糖、塩は沖縄の塩シママース。原材料はこれだけです。
昆布を2mm幅に裁断し、醤油と砂糖の調味液でじっくり煮てから半乾燥し、塩をまぶします。このとき一般的な塩吹昆布は、塩混じりのアミノ酸をむらなく付着させる目的で増粘剤が使われます。ムソーの塩吹昆布は添加物を一切使わないというポリシーのもと、昆布佃煮の乾燥具合を微調整して、シママースをまんべんなくまぶしています。炊きたてご飯やお茶漬けにのせる他、野菜と和えれば昆布のうまみが効いた浅漬けに。ぜひお試しください。