謹賀新年

昨年は格別の御厚情を賜り、厚く御礼を申し上げます。

2025年4月からの日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催が間近になってきました。万博を控えて、弊社が本社を置く大阪に限らず、京都や奈良、神戸にも沢山の観光者が世界各地から来日され、時に大阪にいながら異国感を感じる機会がある状態です。関西に限らず関東圏や九州、北海道の特定エリアでも同じ光景かもしれません。万博開催の目的を私なりに端的に表現しますと、「人々の交流と未来への期待と願い」。日本の観光産業への注力や統合型リゾート(IR)は未来への期待と願いに繋がるのか、皆様はいかが思われますでしょうか。

2021年の後半から続く物価高、2024年はもちろんでしたが2025年におきましても継続は間違いなく、市場に供給されるモノの数が変わらなければ上昇傾向が続くでしょう。諸外国の原料価格の高騰、為替事情、国家間の紛争の影響、そして地球温暖化と異常気象による農作物や食料へのダメージ。崩れていくには時間を要しませんが、もとの状態に近づくには時間も労力も限りなく重く、全ての方にとって負担が膨らむことになりそうです。一例を挙げれば、2024年の米騒動は異常気象による不作によってのみ生じたことではなく、食糧政策や生産者減少の影響も大きく、単年度で解決する問題ではないと考えます。

抜本的な解決手段が明確でない中、弊社の大きな役目は、特に食糧問題の解決について事業運営を通して強く取り組むことです。冒頭で触れた観光産業への注力や統合型リゾート(IR)によって瞬発的な経済効果は生まれますが、今だけでなく次の世代、その次の世代へ期待と願いを繋ぐには、やはり「安心しておいしくしっかり食べて、明日も頑張る」。平凡に見える日々の暮らしこそ守らねばなりません。食は生命そのものだからです。

生活者一人一人の食の安心感醸成は私達の業界が基軸となって推進していきたいと思います。生産者が安心して良い作物の生産に向かい、流通側と小売り側がしっかりと価値を伝えながら適正な商取引を行い、最終ユーザー様に消費していただく。そのような健全な流れをつくっていくことに取り組んでまいります。

さて昨年2024年は諸外国で活躍する日本人に目を見張ることが多くありました。その分野は幅広く、ビジネス界や物理学などの研究者、また能楽などの伝統芸能やアニメや漫画作家、そしてスポーツ界での活躍。言うまでもないのですがMLBの大谷選手の抜きんでた活躍は世界中の注目ともなり同国の一人としても誇らしくなります。

個としての素質や天性の能力はもちろんですが、どの分野で活躍されている方も備えているのは、繰り返し行う努力と目標の高さ、そして実践力ではないでしょうか。現在ではAIを利用すれば間違うリスクが低く、求める結果に最短で到達できることは多々あるでしょう。しかし、推測が立ちにくいこれからの時代環境においては、我々「生身の人間」がそれぞれの経験を活かしながら、さらにトライ&エラーを重ねて知恵を蓄えていく想像力こそ、最も大切です。

グローバル感とローカル感、生産性と創造性、新しい2025年はこれまで以上の営業活動や情報・サービスのご提供、また商品開発や物流サービスの向上に取り組み、皆様のお役に立てるよう社員一同邁進いたします。

2025年が皆様にとって素晴らしい一年でありますように祈念いたしますとともに、変わらずご愛顧、ご支援を賜りますようお願い申し上げまして年頭のご挨拶とさせていただきます。

ムソー株式会社
代表取締役 出口 裕起

前のページへ 次のページへ
2025年1月号へもどる