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近江製茶(滋賀県甲賀市土山町)

●三年番茶の由来

昔、ある村で中国から渡来した僧が、村人のために寒中、野生の茶の木を伐採されました。太い枝のところはナタで割って、焙じたのち茶つぼに入れ、口を和紙でふさいで紐で結わえました。そして納屋や物置の上に三年以上放置し、順に煮出して使いました。これがいま正食家に広く愛飲されている三年番茶の由来だとされています。

普通の番茶と違う点は、陰性で広がっている葉ではなくて陽性で締まっている茎だけを使い、さらに高温で焙煎することによってより陽性の性質を高めている点です。ですから陰性体質で胃腸が冷えている人や腸が緩んで便秘がちな人に、また心臓が弱って血液循環の悪い人におすすめです。

●成熟した茎と葉を、さらに熟成

発売以来、長く愛され続けている無双番茶は、この三年番茶の良さを受け継ぐ「ほうじ番茶」です。原料の茶葉の生産地は主に静岡県、滋賀県、三重県、奈良県です。

5月に新芽を摘んだ茶の木は、夏から秋にかけて栄養を蓄え、茎や葉が硬くなっていきます。生産農家は、十分成熟した茎と葉を9月~10月に収穫・選別し、蒸して揉み、乾燥させて近江製茶へ出荷します。

近江製茶は明治4年創業、本物の香味を追求する近江茶の老舗。無双番茶の発売時からずっと仕上げ加工をお願いしています。原料茶葉は近江製茶で木箱に入れて半年から1年寝かせて熟成させ、風味がまろやかになったところで順次焙じて「無双番茶」となります。

●太い茎を焙じた香ばしさと旨み

11月下旬に訪ねた近江製茶は、お茶を焙じる何とも香ばしい匂いでいっぱい。柱に貼られた火事封じのお札に、火を扱うお茶屋さんの敬虔な気持ちを感じます。

焙煎の前に、まず茎と葉を合組(ブレンド)します。茎と葉の割合は、無双番茶は8:2、有機無双番茶は7:3。茶の木全体のうち茎は2割しかなく、有機栽培の原料茶はさらに希少なため、この割合になっているそうです。

合組した茎葉は鉄釜で、丁寧に焙じられます。「一般の焙じ茶は2~3分で仕上げますが、無双番茶はじっくり15分焙じます。茎が多い分、芯まで焙煎したいので」と社長の川﨑裕子さん。

無双番茶の素晴らしさは、その風味のよいことです。毎日飲み続けても飽きがきません。これは陽性な太い茎を高温で焙煎したときにできる独特のうまみ成分のおかげです。醤油や味噌が焦げたときのあの何ともいえない風味と似ています。カフェインが少ないので赤ちゃんの飲み物としても最適です。

川﨑さんご自身も有機・無双番茶のファンで、水筒に入れて持ち歩いている由。「緑茶と違って変色しませんし、どんな食事とも相性がよく、後口がさっぱり。手放せません」とのこと。おいしいお茶を知り尽くした人の賛辞、説得力がありました。

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